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下肢静脈瘤
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 静脈には、血液の逆流を防ぐための弁がついています。これにより下肢の血液は足の運動をすることで逆流せずに足から心臓に戻っていきます。ところが、下肢の静脈(特に足の付け根や膝の裏など、太い静脈血管の合流部)の弁が何らかの原因で壊れると、血液が逆流し、下肢に溜まり、静脈が瘤のように膨れ、数珠状になり蛇行した状態になります。これを「下肢静脈瘤」といいます。(図1)。
 健康と思っている人の約半数が何らかの静脈瘤を持っており、年をとるにしたがって増加します。また立ち仕事、妊娠、肥満、遺伝(約70%)、民族的な相違(欧米人に多い)なども原因となります。

次の様な静脈瘤の種類があります。

一般的な症状
(1)美容的な悩み(外見上みにくい)
(2)下肢が重く、だるく、疲れやすい
(3)立っていると痛みがある・下肢がつる、夜間にふくらはぎの筋肉がケイレン(こむら返り)する
(4)下肢に熱感がある、ほてる。
(5)下肢が張り、腫れる
(6)下肢のむくみ(浮腫)
進行した場合の症状
(7)下肢の皮膚の色素沈着
(7)下腿の皮膚炎や痛みのある発赤を伴った皮膚の硬結
(8)皮膚の栄養障害による皮膚潰瘍

○ その他の合併症・・・静脈瘤内血栓、血栓性静脈炎、肺塞栓症


手術治療 =
 従来は入院の上、麻酔をかけ血管を引き抜く手術が行われていましたが、最近では病気の静脈を局部麻酔で縛り、血液の逆流を止め、下腿の膨れた静脈瘤を薬で固めます。血液を逆流しないようにし、静脈瘤を無くしてしまいます。
静脈瘤は本来良性の病気ですので、治療期間は少し長くかかりますが、症状もとれ、傷跡も少なくきれいになります。これが日帰りでできる『静脈結紮術』と『静脈瘤硬化療法』です。健康保険の適用も受けています。
最近はこの方法が静脈瘤の主な治療法になっています。
『静脈結紮術』と『静脈瘤硬化療法』はすばらしい治療法ですが、固まった静脈が消えるのに3〜6ヶ月ほどかかり、索状になった病気の静脈はさわると痛みがあります。(日常生活ではほとんど問題にならない程度です)
また、使う薬の反応が人により違い、色素沈着を残すことがあります(1年以内に消失することがほとんどです)。

この治療は日帰りで行えます。『静脈結紮術』と『静脈瘤硬化療法』を同時に行っても、その日から仕事をする人もおられますし、日常生活に大きな障害はありません。しかし、静脈瘤の症状の程度、種類などによって施術できないことがあります。 工夫すればほとんどの静脈瘤で施術可能だと考えています。まずはご相談下さい。


静脈瘤の治療に完治という言葉はありません。下肢の静脈の間に無数のつながりがあり、人が立って生活するかぎり、静脈の弁の弱い体質の人では、静脈瘤の再発が起こります。早めに専門家に相談され、合併症の出ないうちに治療されることをお勧めします。


= 保存的治療(弾性靴下) =
根本治療ではありませんが、靴下を着用すれば下肢に血液は溜まらず、静脈瘤の症状はすぐに取れます。副作用もほとんどありませんし、靴下の種類を探し、自分にあったものを着用すれば静脈瘤は現状よりは悪くなりません。 注意点は 起床時、立ち上がる前に必ず着用する必要があり、夜入浴するまでは外すことができない事です。湿気の多い日本では圧力が強く、静脈瘤を完全に押さえ込むこ とができる程の分厚い靴下を毎日着用し続けることはたいへんな努力が必要です。医師の指示通りに着用せず症状を悪化させることが多々あります。
圧力が少し弱くても薄く、自分にあった履きやすい靴下を毎日着用すれば、下肢の循環障害は軽減し、確実とはいえませんが静脈瘤の予防はできます。 また、旅行時などの下肢の深部静脈にできる血栓(エコノミークラス症候群)の予防にもなり、命を救うこともあります。 最近はデザイン性にも考慮した様々な種類の靴下があります。

= 予防 =
保存的治療での弾性靴下を着用する処置方が下肢静脈瘤の基本的な予防にもなっています。そのほかに日常生活で気をつかわなければいけない事は以下のとおりです。
○ 長時間立ったままで腰掛けたままでいないこと。
○ 寝るときに両足を心臓より高くして寝るようにしてください。
○ 太りすぎないようにしてください。特に女性ではスタイルを気にしてお腹を締めないでください。
○ 足をいつも清潔にしてください。
○ 弾性ストッキングは起床して立ち上がる前に履いてしまいましょう。